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Chronos日本版

【第2特集】 2007年3月号(No.009) 腕上のタイムマシン、永久カレンダー入門

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腕上のタイムマシン 永久カレンダー入門

大・小の月、閏年を刻む謎を解く

古浦敏行、奥山栄一:写真/広田雅将:取材・文

永久カレンダーが初めて世に現れたのは1615年とされる。以来、多くの時計師がこの複雑機構に魅せられてきた。永久カレンダーでは、一瞬一瞬を正確に積みかさねてゆかねば、数百年にわたって永遠に時を刻むことはできない。時計師たちが腕上のタイムマシンに込めたものとは、永久の時ではなく、そこに至る一瞬を追求する情熱だったのかもしれない。

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PATEK PHILLIPE Ref.5140
Ref.3940をリプレイスした新作。旧モデルと比べてラグがわずかに細くなり、インデックスを文字盤外周に移動した。そのため、時計として好ましいまとまりを見せる。薄型のCal.240Qは8.9・のケース厚を可能にした。18KWG(直径37.2mm)。674万1000円(価格は記事掲載時のものです)。

手慣れた設計にパテックらしさが光る

 複雑な永久カレンダーは、かなりムーブメントのスペースを必要とする。そのため懐中時計より小さな腕時計には不向きとされていた。仮に搭載しても厚みが増すことは避けられなかった。1941年以降、パテック フィリップは優れた永久カレンダー付き腕時計を手がけたが、現在の基準で見ても、これらの時計は薄型とはほど遠かった。

 1985年発表のキャリバー240Qは、その反省を踏まえた永久カレンダームーブメントといえなくもない。このモジュールはムーンフェイズを6時位置に置き、日付表示と同軸に重ねている。また、永久カレンダーを駆動する24時間歯車から動力を取り、曜日と同軸上で24時間表示を実現している。表示を重ねるとムーブメントの厚みは増すが、240Qのモジュールは厚さ1・48・しかない。それを可能にしたのが巧みな設計である。例えば、日付表示を駆動する日車は4時位置にオフセットされ、同軸にあるべき日付用スネイルは月齢車の下に隠れている。機能を分散させるとは、永久カレンダーを熟知したメゾンならではの設計だ。

 現在の基準から見ると、キャリバー240Qはやや複雑に過ぎるかもしれない。しかし、現行の永久カレンダーでこれほど古典美を持つ機械がどれほどあるだろうか。240Qとは、いかにもパテックらしい、そして最も複雑時計らしい永久カレンダーといえる。

 ジュネーブに居を構えるマニュファクチュールの老舗として、2010年問題を見据えた政治劇とは無縁とはいうものの、この悠然とした歩みには力強ささえ感じられる。それはまさしく基幹ムーブメントの名に恥じない普遍要素といえるだろう。

掲載時計


●パテック フィリップ
Ref.5140 Cal.240Q

●IWC
ダ・ヴィンチ Cal.7906 ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー Cal.79261

●A.ランゲ&ゾーネ
ランゲマティック・パーペチュアル Cal.L922.1

●ジャガー・ルクルト
マスター・エイトデイズ・パーペチュアル Cal.876

●ユリスナルダン
Cal.UN-32

つづきは『クロノス日本版』2007年3月号(No.009)でお楽しみ下さい。



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