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Chronos日本版

【第1特集】 2007年9月号(No.012) THE CHRONOGRAPH YEAR 2007

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THE CHRONOGRAPH YEAR 2007

クロノグラフ自社開発の夢と現実

古浦敏行、奥田高文、吉江正倫、奥山栄一:写真 広田雅将、菅原 茂、鈴木幸也(本誌)、鈴木裕之(本誌):取材・文
岩澤博史:イラスト モントレ ソルマーレ:撮影協力

2007年は、まさにクロノグラフの当たり年だ。12モデルもの自社開発クロノグラフがすでに発表された。「自動巻き+垂直クラッチ」というここ数年の潮流は今年も健在だが、顕著なのは同軸クロノグラフの台頭である。先ほどの12モデルに自社専用ムーブメントを搭載したリシャール・ミル「RM011」を含めた13モデルのうち、なんと約半数の6モデルが同軸積算計を採用しているのだ。

熾烈な生存競争を勝ち抜くための技術革新

 なぜいま実力派と目されるメゾンやメーカーはクロノグラフ自社開発に血眼になるのだろうか? エボーシュやサプライヤーに頼らない“自社製クロノグラフ”の発表をもって晴れて真のマニュファクチュールを標榜できるからか? しかし、歴史的にはマニュファクチュールであってもクロノグラフだけはエボーシュを使うことを黙認されてきたのも事実である。

近年、一流と呼ばれるメゾン、メーカーほどクロノグラフ自社開発熱が高いのは決して偶然ではあるまい。その背景には、大手資本によるブランド買収合戦やサプライヤーの囲い込みによって生存競争がますます苛烈になっているという時計業界の厳然たる現実があることを無視することはできない。

 機械式時計の異常ともいえるブームが続く中にあって、いつかは必ずやって来るブームの終焉に危機感を持つ心あるメーカーは、そのよって立つ基盤を開発力・技術力に求め、着々とその戦略を進めている。昨年の脱進機開発競争しかり、エボーシュメーカーやサプライヤーを買収して“インスタント・マニュファクチュール”化を図るメゾンしかり、である。開発力・技術力の裏付けがないブランド力はただの看板に過ぎず、いつ市場からそっぽを向かれてもおかしくはない。

 確かに、サプライヤーを買収することで容易に製造力を身につけ、マニュファクチュールを名乗ることは簡単だ。しかし、真の技術革新や開発力とは、テクニカルなことはもちろん、それ以上にコンセプトやヴィジョン、すなわちメーカーとして重視する価値観や進むべき道を決定する“眼力”によって成功に導かれ、進化するものであろう。その方向性が明確になってこそ、何を開発し、何を求めるのかが決まるのだ。

 ジャガー・ルクルトが開発した「デュオメトル・クロノグラフ」の本質は、時計メーカーの基本中の基本である精度の追求であった。F.P.ジュルヌが追求したものは、限りなく微細な時間を正確に計測するというクロノグラフの原点であった。こうした明確な目標があったからこそ、開発方針がクリアになり、ほかのどのメーカーも思いもよらなかった独創的なクロノグラフが開発できたのだ

つづきは『クロノス日本版』2007年9月号(No.012)でお楽しみ下さい。

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