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Chronos日本版

【第1特集】 2007年5月号(No.010) スイス時計業界 再・再編はじまる

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スイス時計業界
再・再編はじまる

自社製クロノグラフ開発、マニュファクチュール化から読み解く

奥山栄一、景山正夫:写真 広田雅将、古川直昌(本誌):取材・文

天空の重さに懊悩する巨神アトラス。彼は罰としてゼウスに天空を背負わされた。その姿は時計メゾンの経営者と重なる。アンティード・ジャンヴィエ作の“Sphere Armillaire”(天球儀)。18世紀後半製。F.P.ジュルヌ本社にて撮影。

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マニュファクチュール

 「ジラール・ペルゴが初めてマニュファクチュールを宣言したわけではありません。しかし、私たちが初めてこの言葉に着目したのは事実でしょう」ソーウインド グループCEOのルイジ・マカルーソ氏は、我々にこう語った。ジラール・ペルゴに始まった時計メゾンのマニュファクチュール化は、メーカーやサプライヤーの囲い込みを進める大手グループと、独立を守らんとする各メゾンの思惑を交え、急激に深化している。

 今や自社製ムーブメントならば良しとされた時代は終わりを告げ、各メゾンは“勝てるムーブメント”を作ることに躍起となっている。“Alea Jacta Est!”(賽は投げられた)ルビコン川に臨んだユリウス・カエサルはこう叫んだといわれる。各時計メゾンはまさに、イタリアに進撃する直前のカエサルの気分を味わっているのではなかろうか。マニュファクチュール化という賽が投げられた以上、望むと望まざるとにかかわらず、“勝てるムーブメント”を投じ続けてローマに凱旋するしかないのだから。そんなメゾンの武器こそが、世間を賑わしている新型脱進機であり、まさに本特集で取り上げる自社製クロノグラフにほかならない。

 ローマに至れば栄光を得るだろう。しかし、敗れればその先はない。その重責は、罰として双肩で天空を支えさせられた巨神、アトラスの苦悩を思わせる。今回、取材先で多くの経営者や時計師に会ったが、彼らの時折見せる表情が、このギリシャ神話の巨神と似通っていたことは決して偶然ではあるまい。クロノグラフを筆頭に、新世代の自社製ムーブメントが牽引する「時計業界再・再編」。果たして誰がまっさきに、ローマに栄光を飾ることができるのか。あるいは天空を支える懊悩から解放されるのか。マニュファクチュール化が進む現場から、その行方を占う。

つづきは『クロノス日本版』2007年5月号(No.010)でお楽しみ下さい。


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