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Chronos日本版

【ムーブメントから見たクルマ選び】 ランボルギーニ ガヤルド・スパイダー

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LAMBORGHINI Gallardo Spyder

剥き出しの闘争本能。
完成された“真正”スポーツカー

文:鈴木 明 写真:佐藤靖彦

アウディの卓越した技術と、ランボルギーニが長年培ってきたノウハウの融合体ともいえる最新のレイジングブル。跳躍のシンボルといえるガヤルドに加わったスパイダーは、ランボルギーニがさらなる飛躍を託した究極のオープンモデルなのである。



070521ml1.jpg従来からラインナップされていたクーペモデルでは500psだった最高出力が、スパイダーから520ps(クーペモデルも2006年モデルから同じ出力)に高められた。同時に6速ギヤボックスがローギアード化されたことで、4961cc のV10 エンジンは、低速域からトルクフルになり、実にダイナミックなパワー特性を発揮する。エキゾーストシステムも改良された結果、そのサウンドはボリュームアップし、ドライバーを刺激する官能的な音質に変化。残念ながらエンジン上部にルーフの収納部分が設置されているため、エンジンはあまり見えない。

芸術的な容姿に目を奪われる

 鋼の塊から削り出した、彫刻のようなボディデザインを持つランボルギーニ・ガヤルド。その最新モデルのスパイダーは、芸術的でありながら、派手さが際立つゆえに、その容姿ばかりに目が奪われてしまうが、数あるスーパースポーツカーの中でも、突出した性能が与えられている。時計のムーブメントに相当する心臓部は、V型10気筒。520psものパワーを発揮する。しかも時計と同じように、マテリアルにもこだわりを見せ、エンジンはアルミニウムで成型。ちなみにシャシーやボディパネルにも同素材が採用され、軽量化への積極的な取り組みが行われている。


 ガヤルド・スパイダーは4300mmの全長サイズの中に、十分なスペースのコクピットを確保しながら、アルミ製のV型10気筒エンジンをリヤセクションにミッドマウント、さらに制約のあるパッケージングの中で電動のルーフオープンユニットを搭載したランボルギーニの意欲作だ。 コクピットに乗り込みセンターコンソールにあるボタンを押すと、ブラックファブリックのソフトトップが開き、スパイダー独自のスタイリングが出現する。所要時間は20秒。ルーフのユニット自体は、エンジンフード内部の、エンジンヘッド上部にコンパクトに収められる仕組みだが、ランボルギーニ初となる電動式を採用したのがトピックのひとつだ。


070521ml2.jpg36mm径のステアリング奥には、大きなスピードメーターとレブカウンターが備わり、デザイン的にはクーペモデルと変わりない。ソフトトップ開閉ボタンは、センターコンソールのドアミラー調整スイッチ横に設置されている。

挙動変化を把握しやすいシャシー特性

 もともとクーペモデルの性能は高いが、風をダイレクトに受けながら走るスパイダーは、そのすべてが研ぎ澄まされた感覚で、五感に訴えかけてくる。細かい話をすれば、スパイダーの車両重量はクーペに較べて140kgほど重いため、加速性能ではやや劣るが、ルーフがない分、スピード感では上回る。そしてスパイダーだけのアドバンテージといえるのが、そのエキゾーストサウンドを存分に堪能できる点。2006年モデル以前のクーペとは異なり、6速ギヤボックスがローギヤード化されたため、V10ユニットの咆哮が、エンジン回転が高まるほどに、ダイレクトに耳に飛び込んでくる。


 3000rpm手前あたりから、急に甲高い音質に変わり、特に試乗車のようにセミオートマティックのeギア仕様では、シフトダウン時に自動的に入るブリッピングのサウンドが、病み付きになる。クーペモデルの2006年仕様とは、エンジンやギヤレシオなどが同スペックにも関わらず、スパイダーのそれの方が、明らかに官能的であった。


 V10ユニットが発する520psのパワーは、スーパースポーツカーの世界では、いまや突出した数値ではなくなってしまったが、走行性能は同じ車格のライバルモデルとの比較では明らかにトップクラスで、eギアによって巧みにコントロールすることが可能だ。しかも駆動方式は4WD。雨天の走行で心強いのはもちろん、ワインディングでは駆動特性からアンダーステア傾向のため、挙動変化を把握しやすい。


070521ml3.jpg美しいプロポーションに加え、機能性にも優れるガヤルド・スパイダー。リヤ・スポイラーにはビデオカメラが標準で内蔵され、ギヤをリバースに入れるとセンターパネルにあるモニターに車両後方の映像が映し出される。

日常を官能的に塗り変えるスパイダー

 520psといっても、それほどナーバスになる必要はないのである。パワー特性もフラットトルクで、200km/hを越えても加速性能に衰えは一切感じないほど強力だ。公表されているスパイダーの最高速度は、クローズド状態で314km/h、オープン状態でも307km/hだが、富士スピードウェイのようにストレートが長いコースならば、その速度域を存分に体感することができるはず。


 またルーフレスのオープンモデルではあるものの、ボディ剛性はネガティブなところを一切見せない。走行中はもちろんのこと、段差を越えても、ボディの前後がねじれるようなことはない。車両重量がクーペより重い分、サスペンションのセッティングはややソフトな味付けになっているようだが、逆に首都高速の路面の繋ぎ目などではショックを吸収してくれる。乗り心地がソフトなため、スポーツ走行ではなく、街乗りのようなシチュエーションでは、クーペの足まわりよりも好感が持てた。


 全体的な印象として、ガヤルド・スパイダーは、オープンモデルとして官能的であり、性能的にも資質が高く、ランボルギーニならではの哲学とイマジネーションによって生み出されている。卓越した走行性能はもちろん、現代のスーパースポーツカーらしい日常性をも併せ持ったモデルなのである。


スペック

●Engine Spec.
・型式 DOHC V型10気筒
・総排気量 4961cc
・最高出力 520ps/8000rpm
・最大トルク 52.0kgm/4250

●Body Spec.
・ステアリング 左
・全長 4300mm
・全幅 1900mm
・全高 1184mm
・ホイールベース 2560mm
・トレッド前 1622mm
     後 1592mm
・駆動方式 4WD
・ミッション 6速MT
       6速シーケンシャル(e-gear)
・車両重量 1570kg
・乗車定員 2名


価格&問い合わせ


車両本体価格=2257万5000円(MT)2362万5000円(eギア)
*価格は記事掲載時のものです。


問い合わせ=ランボルギーニ・ジャパン 0120-988-889
http://www.lamborghini.co.jp/

記事掲載号

記事掲載号 2006年9月号(No.006) 定期購読申込 バックナンバー常設店

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